【Credibility for the 21st Century】4. 情報ソースの信憑性

情報ソースの信憑性の定義

  • 情報ソースの信憑性の定義:「メッセージの発信する人間を信用するかに関する受け手側の判断」(O’Keefe 1990, Wilson & Sherrell 1993)
  • 情報ソースの信憑性に関する研究は1940年代に始まった.情報ソースの信憑性は説得力のある話者の特性として研究が進められた.
    • 信憑性は第2次世界大戦中に生まれた学問である.アメリカ合衆国政府は,大衆の戦争に対する支持を得るための方法として信憑性に着目.
    • Carl Hovland @Yale大学が「説得理論」の構築を目指し,コミュニケーションと態度変容に関する研究をスタート.

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【Credibility for the 21st Century】3. 信憑性研究の歴史

歴史

  •  信憑性に関する研究は「説得プロセス」における要素として注目されて研究が始まった.
  • 当初は,個人や組織の説得に与える要因として情報ソースの信憑性(source credibility)に着目して研究が行われた.
  • 2番目の要因として注目されたのは,情報ソースから発信された「メッセージ自身の信憑性(message credibility)
  • 他にも,特定の情報媒体に着目して情報媒体の信憑性(media credibility)を相対的に分析するという試みも行われた.

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【Credibility for the 21st Century】2. ウェブ情報の特徴

ウェブ情報の特徴1: ゲートキーパーの不足

  • 新聞や書籍,雑誌,テレビなどは,一定レベルの事実確認,内容のチェック,編集チェックを受けている.
  • 同様のチェックが,ウェブ情報に対して必ずしも行われているわけではない.
    • 「オンライン新聞サイトや有名なポータルサイトは内容のチェックを受けている」という声もあるだろうが,そういうサイトは広大なウェブ世界ではむしろ少数派.
    • ウェブ情報の大半は非公式な情報であり,どの程度内容の精査がされているのかは不明.
    • 内容チェックを受けなくても情報発信できるということが,正確な情報をウェブで発信しなければという社会的なプレッシャーを低減させる(Jonson and Kaye 1998)

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【Credibility for the 21st Century】1. イントロダクション

ウェブの出現により問題になりつつあるオンライン情報の「信憑性」

  • ウェブの登場によって多様な情報に簡単にアクセスできるようになった.
  • ウェブ上には不正確であったり,偏った情報が存在する(Caruso 1999,GomdaWeb 1998, Shaw 1998, Sundar 1998,Null 2000,Ward 1997)
  • だからこそ,既存のメディアとは異なる情報のコントロール,評価,検証が必要となる.
  • ウェブ情報の信憑性に関する問題は研究者にも認識されつつある.

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異文化交流によって新たな視点を得る

文化が違えば,同じものに対しても考え方が全く異なる.今日はそれを改めて感じる出来事があった.

中国人の友人Hくんはとても日本の文化に詳しい.特に,日本のアニメや漫画にはやたら詳しい.約2時間おきに,”Hey Yusuke. Do you know future dairy(未来日記)?” という感じで嬉しそうに質問してくる.正直疲れる.

さて,そんなHくんがたまたま今日ウルトラマンの話題を振ってきた. 僕は初代ウルトラマンが最後に死ぬシーンがとても印象に残っていたので,そのことを彼に言った. しかし,彼はなんとそのシーンを知らなかった. Continue reading “異文化交流によって新たな視点を得る”

J1ビザ取得

昨日,アメリカ留学に必要な「J1ビザ」の取得のために大阪のアメリカ領事館まで面接に行った.一昨日まで立て続けに国際会議へ出張していたため,面接に必要な書類の準備,面接対策など全くできていなかった.それゆえ,無事ビザを取得し6月からアメリカに行くことができるのか非常に不安だった.結果としては無事ビザが取得できそう.

以下にJ1ビザ取得に用意した書類,面接で聞かれたことをまとめておく. Continue reading “J1ビザ取得”

風評被害に苦しむ私:切り取り,編集され,ねじ曲げられて伝えられた声

先日,なぜか産経新聞から電話インタビューされた.後日編集された内容が産経新聞に掲載され,その内容が物議を起こしているようだ.山本はTwitterやら某掲示板サイト(例1例2)で激しく非難されている.

実際に発言した内容に非難・批判があるのなら受け入れる.しかし,山本の真意ではないことが新聞や某掲示板に掲載され,それに対して非難囂々なのはかなり気分が悪い.このページでは事実を伝えたい. Continue reading “風評被害に苦しむ私:切り取り,編集され,ねじ曲げられて伝えられた声”

科学コミュニケーション

予想だにしていなかった方面から突然電話が掛かってきた.電話の内容は僕の研究と関連する諸処の質問であった.電話をかけられてきた方は情報検索やウェブマイニングの専門家ではなく,ましてや研究者ではない一般の方である.

諸処の質問があった後,話の流れで僕の研究のことについて突然尋ねられた.「ざっくり言うとどんな感じのことをやっているんですか?」と.よく考えると,最近は同分野の専門家の人,もしくは異分野の研究者の方にしか自分の研究について話をしていなかったため,一般の方に研究について,しかもものすごく短時間で説明する機会なんてほとんどなかった事に気付いた. Continue reading “科学コミュニケーション”

さようなら学生生活。こんにちわ社会人生活

昨日をもって学生生活が終わり、今日から社会人生活が始まる.

思い返せば9年間も大学生活を送っていたことになる.小学校よりも長い.普通なら4年のところを5年も余分に大学にいた.修士課程,博士課程へと進学する度に友人たちが社会へと羽ばたいていく一方で,僕は大学生活を延長し続けてきた.しかし,今日からは旧友に再会しては「山本君は今何してるの? — まだ学生やってるよ」というやりとりも晴れてなくなる. Continue reading “さようなら学生生活。こんにちわ社会人生活”