もやしとフォアグラ

夏休みの「子ども科学相談」のラジオで「もやし」についての話があった.まったく知らなかったのだが,「もやし」とは穀類や豆類の種子を人為的に発芽させた新芽の総称を表すものだそうだ.てっきりトマトや茄子のように,もやしという名称の野菜があるのかと思っていた.

科学相談の内容は,「もやしがどのようにできるのか」についてであった.植物は光合成をするために光が必要となるが,土の中で発芽した植物は光を得るために地中に出る必要がある.そのため,植物は茎を伸ばすのである.もやしはこの性質を利用し育てられる.光を与えないよう暗室で育てることによって,葉も出させず色も付けさせず,茎だけ伸ばさせる.もやしとしては,地中に出て光を浴び,光合成をするがために,種子に蓄えられた限られたエネルギーを使って必死に茎を伸ばす.私たち人間は,もやしが食べたいがため,己の欲望のために,もやしに酷な仕打ちをするのである.

どこかで聞いたことのあるような話である.フォアグラである.フ脂肪肝をもつガチョウを育てるために,強制給餌を行う.フォアグラに反対する人はベジタリアンが多いという記事もあるが,捉え方によっては,もやしの作り方はフォアグラ反対派のベジタリアンにも割とショッキングではなかろうか.

 

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