わたしは鼻があまりきかない.他の人が感じている匂いを感じられていないことはしばしば.自分の鼻のききが悪いことに気付いたのは,結婚して妻と生活するようになってからであった.

周りの人と同じ世界を認識していたつもりが,実はそうではなかったのである.とはいえ,鼻のききが悪いことに不自由はしていない.まったく匂いを感じれないわけではないし,匂いのもとと距離を詰めれば,それなりに匂いを感じることはできる.

自分の感じる匂いが果たして正しい匂いなのか,他の人が感じる「真」の匂いが一体どんなものか,気になることも多少はある.けれども,そのことに悲観はしていない.むしろ,受け取る嗅覚情報が他者とずれているにもかかわらず,これまで不自由も問題もなく生きてこられたことに驚きを感じるのである.

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