戦艦大和ノ最後

ふと,吉田満氏著の「戦艦大和ノ最後」中での臼淵少佐(当時大尉)の言葉を思い出した.

進歩ノナイ者ハ決シテ勝タナイ 負ケテ目覚メル事ガ最上ノ道ダ
日本ハ進歩トイウ事ヲ軽ンジ過ギタ 私的ナ潔癖ヤ徳義ニ拘ッテ、本当ノ進歩ヲ忘レテキタ 敗レテ目覚メル、ソレ以外ニドウシテ日本ガ救ワレルカ 今目覚メズシテ救ワレルカ 俺達ハソノ先導ニナルノダ 日本ノ新生ニ先駆ケテ散ル マサニ本望ジャナイカ

戦時中,私事に拘って真の進歩ができなかった日本.敗戦後,目覚めすさまじい勢いで成長してきた日本.そして,また前に進めなくなっている日本.「私的ナ潔癖ヤ徳義ニ拘ッテ本当ノ進歩ヲ忘レテキタ」というのはまさに今の現状のことではなかろうか.政治でも経済でも研究でも「真の進歩」を忘れず突き進むこと.そうしないと今の散々たる日本の状況から抜け出すことはできないだろう.

くだらない研究ばかりして最低限の数だけ書いて生活する.悲しいかな今の日本ではこれができてしまう.ただ,研究者としてこれで真の進歩を追求できていると言えるのか.富田眞治先生の最終講義で先生が言われた「尻も拭けない紙(論文)なんて書いても意味なし」という言葉がずんと来る.

僕は研究や教育の道で真の進歩を追求できているのだろうか.大好きな日本がどこぞの属国に成り下がらないよう,日本をイキイキさせるためにも,僕は研究や教育の分野で貢献したい.それが僕の本望である.

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