某国立大学情報学研究科の学位授与規定

修士課程や博士課程の終わりも近づいてくると「無事学位が取れるのだろうか?」と不安になるものだ. 研究発表しては指導教官の顔色をうかがうものだ.学位取得は指導教官のみぞ知るからである.

意外なことに(学生が知らないだけだが)学位授与には明確な規定なるものが存在しているそうだ.以下は某国立大学の情報学研究科の規定であるが,きっとどこの大学もこのような規定が存在していると思われる.一度調べてみると面白いかと.

修士号

提出された修士学位論文が、情報学及びその関連分野における新たな成果を含むか、あるいは、情報学及びその関連分野において広い視野に立った学術的内容を含んでいると判断されること。

 

博士号

提出された博士学位論文が、情報学及びその関連分野における新たな成果とそれを包括する体系を含む、情報学及びその関連分野における高度な学術を含み、当該の研究分野の今後の発展に大きく寄与する内容を含む、あるいは、 情報学及びその関連分野において請求者が自立して研究活動等を行い得ると認められる学術的内容を含んでいると判断されること。

修士号に比べると博士号の規定はすさまじい.新たな成果とそれを包括する体系ナンタラナンタラ・・・当該の研究分野の今後の発展に大きく寄与!すごい,さすが博士号は重みが違う.

しかし修士号も博士号も並べられた諸々の条件はANDでなくORで接続されていることに注意を要する.すなわち諸々の条件のうち一つでもクリアすれば良い(と某先生は語る).

これでは条件が緩すぎではないか?博士号たるものもっと厳しい条件にしないと博士課程学生を一人前の研究者に育て上げることはできないのではないか?特に情報科学は只でさえ行く末が危ぶまれているのであるから,学位を単に「国際会議にX本通しました」ではそれこそ情報学の今後の発展なんぞ望めないのではと思ってしまう.通る論文だけ書くなら簡単なのだから...

とは言いつつも規定は規定なので条件さえ満たせば学位は出てしまうのだ.某後輩が言うように「学位の価値は結局は研究を行う本人が最終的に決める」というのが真実なような気がする.

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