新しい学部4回生が研究室に配属された.自分が配属されたときのことを思い出していたのだが,当時はいざ配属されたものの研究室で何をしたらいいのかも分からず,朝10時に研究室に来ては基礎情報処理試験の勉強をしていたくらいで特にやることが無かった(与えられもしなかった)ことを記憶している.
もちろん研究室によっては新B4に対する方針をしっかり最初から決めているところもあるのかもしれないがなかなかそんな研究室は無いと予想される.4月は教員の皆様が年度初めと言うことで会議やらなんやらで忙しい.面倒見の良い先輩がいれば相手をしてあげるのかもしれないが,そんな学生は多くはないし新B4全員の面倒を一気に見れるわけでもない.
「自らやることを見つけるべきである」という意見もあるのかもしれないが,研究室というこれまでと全く異なる環境(社会)に入ってきた新B4には余りにも酷.何をして良いのか分からないのは当然であろう.そういうわけで新B4は最初の何もせずにただ研究室にいるという時間が増えてしまうわけである.
そこで,B4からD3まで研究室経験を基に研究(室)生活を有意義にするため「研究室に配属された新B4に初めの1ヶ月でやってほしいこと」を考えてみた.PCやメール環境の設定や研究室ルールを覚えるなど細々したことは色々考えられるのだが,
先輩学生に研究内容を聞きに行く
のが一番有益だと思った.
理由1: 研究室の研究内容を知ることができる
研究室紹介の際に教授や准教授の一応研究内容を教えてもらえるが,山盛りの研究内容を高々10-30分程度の時間で離されても「よく分かりませんでした」というのが正直な意見であろう(きっと研究室の選択は「なんとなく研究テーマが面白そうだった」「雰囲気が良さそうだった」「楽そうだったから」とかそんな理由だと思うし,僕もそうだった).なので研究室の研究内容は4月の時点では知らないはず.
研究室のみなさんの研究の内容を知っておくことは研究テーマを選ぶ上でも参考になるし,「○○先輩はたしかこんな技術を使っていたなぁ」と記憶しておくことは,研究を進める上でのヒントにもなる.ということで,研究室の研究状況を知ることは非常に重要である.
理由2: 自分の研究業界の状況を知るための手っ取り早い方法だから
新B4も研究室に入ったので当然研究することになる.先輩や教員からは「興味のある研究を探してみようね」なんてことを言われる(言われた)と思うが,そもそも
- 自分の研究室がどんな研究領域に取り組んでいるのか
- どんな研究トピックがあるのか
- そもそも研究って何か
を知っている新B4はさすがにほとんどいないと思う.というわけで彼らが興味のある研究を探すことは難しい.研究室の論文や関連論文を読んで勉強してから・・・というのも知識が無いので読み進めるのも困難.
そこで「先輩学生に取り組んでいる研究について説明してもらう」である.直接話をすることができるので知識の少ない学生でも分からないところがあればすぐに先輩に聞くことができる.研究室には様々な研究トピックがあると思うので,いろんな先輩に聞くことで(少なくとも研究室がターゲットにしたい)研究領域に関するトピックに関しては雰囲気くらいは網羅できるのではなかろうか?そこから関連研究を探し始めても全然悪くない.
理由3: 先輩とのコミュニケーションを図るチャンスが増えるから
何もすることがないと新B4から先輩に話しかけるチャンスは無いと思うが,これなら話しかける口実になる.先輩・教員とコミュニケーションを取って早い段階で関係構築することは,充実した研究室を送るためには非常に大事.勇気を持って話しかけてみよう.先輩や教員というのは後輩から頼られると嬉しいもの.きっと嫌な顔をせずに教えてくれると思う.
先輩学生にとっては知識の少ない新B4に研究内容を説明するためには分かりやすくエッセンスを取り出して説明する必要があるから,研究発表の練習にもなると思う.