三重Go To Eatキャンペーンマップ

研究室の学生が浜松市のGo To Eatキャンペーンをやっているお店をまとめた地図を作っていた.それに触発されて,三重県版Go To Eatキャンペーンマップを作ってみた.データソースはこのサイト(公式の三重Go To Eatキャンペーンのウェブサイトからリンクされているが,ドメインが異なるが気にはなる…).

データをスクレイピングして,Google Mapsにマッピング.近所にキャンペーンをやっている店があるか,少しはわかりやすくなった.実家のまわりではキャンペーンをやっている店が少なかったのが残念.

Google Mapのサイト上で見るにはこちらのリンクを参照.

抽象的 != 本質的

学生とミーティングをしていたときのこと.学生の提案内容が本質的でなかったので,そのことを指摘したところ,「抽象化したつもりだったのですが…」と言われた.この学生は「抽象的 = 本質的」だと思っていたようである.

言わずもがな,抽象度と本質度は独立した概念である.抽象的であっても本質的でないことはたくさんあるし,具体的で本質的な意見もたくさんある.どうしてこのような勘違いにいたったのだろうか?

何をもって本質的であると考えるかは,対象となる問題を理解できているかが重要と思われる.問題の理解には具体と抽象の行き来も必要.本質的であることと抽象的であることが違うということが分かってないとすると,具体と抽象の違いの理解も怪しそう.そうなると,問題の理解にはまだまだいたらなさそう.

Zaim APIの痛いところ

資産管理のために,銀行口座や証券口座の残高変動のログを記録しようとZaim APIを触り始めた.PythonからZaim APIを利用し,取得したデータをGoogle Spreadsheetに記録し続ける,ということを想定していたのだが,痛いことに気付いた.Zaim APIで取得できるデータは「銀行口座」に限るようだ.証券口座のデータにはアクセスできない.

証券口座の商品の変動こそ記録に残しておきたかった. Zaimのアプリ本体では,銀行,証券,クレジットカードの種類に限らず,どれでもデータが見れるので,問題ないと思っていたのだが… 結局証券のウェブサイトをスクレイピングして… ということになりそう.

iiWAS2020に論文が採択されました

研究室メンバーである鈴木雅貴君(修士1年生)の研究成果として,下記の論文がThe 22nd International Conference on Information Integration and Web-based Applications & Services (iiWAS2020) に採択されました.

Masaki Suzuki and Yusuke Yamamoto: Analysis of Relationship between Confirmation Bias and Web Search BehaviorProceedings of the 22nd International Conference on Information Integration and Web-based Applications & Services (iiWAS2020) , Chiang Mai, Thailand, November 2020.

後日,詳細な書誌情報を掲載する予定です.

テレキャスター警察

とある方に,Twitterに「テレキャスター警察」というハッシュタグがあることを教えてもらった.色はバタースコッチもしくはサンバースト,ピックアップはシングルコイルのみを是として,それ以外のテレキャスターを「違法」として切っていくハッシュタグである.まったく知らなかった.

過去の投稿を眺めてみると,多種多様な驚きテレキャスターがたくさん掲載されている.ピックアップをハムバッカーに変えたテレキャスターなんて甘い方.中には「えん罪」じゃなかろうかというギターもあったり.なかなか楽しめるコンテンツだった.

鴨江珈琲でトークしました

鴨江珈琲さんで「人と情報技術のなじみがとれた社会を実現するには? 〜「AI(笑)」をコーヒーのお供にして」というタイトルでトークしてきました.鴨江珈琲さんは出張店舗で豆を購入したことはあってもお店に行ったことがなかったので,お店でトークすることを楽しみにしていました.

肝心のイベントではもともと10名程度のお客さんとトークすることを目的としていたのですが,ちょうど10名くらいお客さんに集まっていただき,濃密なお話ができて良かったです.

実験的なイベントでしたが,近いうちに第2弾が開催できればと思っています.

52年製Fenderテレキャスターの配線

大学生のときに,Fender USA テレキャスター52年レプリカを購入した.そのギターについて,衝撃的な事実に気付いた.知っている人からすると,なぜ今それに気付くのかと思う内容であろう.

テレキャスターといえば,ジャキジャキとした音が魅力的なギター.山下達郎さん好きとしては,テレキャスターによるカッティングがたまらない.

ということで,あの音で演奏したくてテレキャスターを使うわけだが,購入したときから,あの音が出せなく悩んでいた.フロントピックアップの音がどうしても納得がいかない.なんとか音を近づけようと,弦を替えたりピックをかえたりアンプの音作りを変えてみたりと,いろんな工夫をしてきた.しかし,状況はまったく改善されず.ギターには個体差があるので,それが原因,それも個性だと受け入れてきた.

購入から10数年たった今日,問題の原因はコンデンサーではないかとふと思った.テレキャスターの高音ジャキジャキを活かすために,コンデンサに工夫を凝らすことが知られている.僕のギターもコンデンサをつけかえれば音が変わるのでは,そう思うに至った.

そこで,ギターの型番をちゃんと調べて,あらためて配線をしらべたところ,衝撃的な事実が判明.僕のもっている52年製テレキャスターは,よくあるピックアップセレクターとは全然異なる配線になっていたのである.普通は,3段階のセレクタであれば,

  • 一番左:フロントピックアップ
  • 真ん中:フロントとリアピックアップのミックス
  • 一番右:リアピックアップ

を使う設定になっている.ところが,52年製テレキャスターは,

  • 一番左:フロントピックアップ(トーンゼロ,トーン調整無効)
  • 真ん中:フロントピックアップ(トーン調整有効)
  • 一番右:リアピックアップ(トーン調整有効)

という設定なのである.フロントピックアップのもこもこした音はこれが原因であった.真ん中のピックアップセレクタの音が一番お気に入りを出していたのだが,まさにそれが僕が求めていた音が出る設定だったのである.

こんなことはテレキャスター好きからしたら常識かと思われるので,なんと恥ずかしいことか.購入時の説明書袋を開けてみると,「ビンテージタイプ配線」から「スタンダートタイプ配線」に戻す方法が書かれた紙が入っているし,変更のために必要となるコンデンサまでご丁寧に同封されている.

これに10何年間も気付かない馬鹿な僕.でも,謎が解けてすっきりした.

聖の青春

村山聖さんの一生について書かれた「聖の青春」を読んだ.村山聖さんの歴史を知りたくて読み始めたのだが,岡本太郎氏の「自分の中に毒を持て」と同じくらい,生きるとは何かを根っこから考えさせる本だった.以下,引用.一番印象的だったのは以下の文.

人間は悲しみ、苦しむために生まれた。 それが人間の宿命であり、幸せだ。僕は、死んでも、もう一度人間に生まれたい。(大崎善生著「聖の青春」より)

次の文は一番印象に残ったわけではないが,読みかえると研究にも役立つので,ここに残しておく.

定跡の学習や、終盤力の強化はもちろん必要である。しかし、それは将棋の本質からは二義的なものなのである。では一義は何か。それは生きるか死ぬか、殺すか殺されるか。(大崎善生著「聖の青春」より)

これを以下のように読みかえる.

最新のテクニックや実験手法の学習,論文の書き方の強化はもちろん必要である.しかし,それは研究の本質からは二義的なものなのである.では,一義は何か.それは「未踏」であるか.デルタ研究に墜ちてないか.


現在,藤井聡太2冠を含め,渡辺名人,豊島竜王,永瀬2冠と若手棋士が大活躍しているが,その中で今年50歳の羽生善治さんがレーティング6位で奮闘しているのがすごい.もし同年代の村山聖さんが生きておられたら,今の将棋界の勢力図がどうなっていたのだろうか.藤井聡太さんと村山聖さんの戦い,見たかったなぁ…

パンダコパンダ

高畑勲氏が監督,宮崎駿氏が脚本・原画等を手がけた作品に「パンダコパンダ」という作品がある.たまたまこの作品を見る機会を得た.

この作品の主題歌(ミミちゃんとパンダコパンダ),サビが大変キャッチーで中毒性がある.作品の内容は覚えていなくても,この歌のサビだけは耳に残っていた.パンダコパンダを見る機会を得たので,この主題歌をじっくり聴いてみたのだが,サビの歌詞が自分が思っていた歌詞と違ってショックを受けた.

昔からサビの歌詞は「パンダコパンダコパンダ」の繰り返しかと思っていた.作品のタイトルも「パンダコパンダ」だからだ.ところがアニメーションを見ながらサビをよく聴いてみると,「パンダ,パパンダ,コパンダ」が正解らしい.ややこしい.

確かに作中には,パン(子どものパンダ)の父親のような役割のパパンダというキャラクタが登場する.しかし,コパンダは登場しない.登場する子どものパンダはパンである.

このサビには納得がいかない.

LIFO

私が所有するパンツ集合を\(P=\{p_1, p_2, …, p_N\}\)とする.パンツの総数は\(N\)である.

あるとき,洗濯物をためてしまった.そのため,今自分が着ているパンツ\(p_i\)と唯一洗濯済みのパンツ\(p_j\)以外,他のパンツが同時に洗濯機に入ってしまったとする.

お風呂に入った後,唯一無二のパンツ\(p_j\)を着る.そして,使用済みのパンツ\(p_i\)を洗濯機に入れ,他のパンツと一緒に洗濯機を回す.洗濯済みパンツのストックが無くなってしまうが,幸い,洗濯したパンツは次の日のお風呂までには乾く.

洗濯済みのパンツが無くなったら危機である.この日から心を入れ替えて,毎日忘れずにパンツを洗濯することに心に決める.

ところで,我が家の洗濯済みパンツ入れは小さなカゴである.カゴに洗濯済みのパンツが積み上がっていく.一番最後に入れられたパンツが一番最初に取り出される.つまり,カゴは”Last in, first out”のスタック構造になっている.これを踏まえて,先の危機の行く末を考えてみる.


唯一無二のパンツ\(p_j\)に履き替えた私は,お風呂に入る前に着ていたパンツ\(p_i\)を含めた\(N-1\)枚の使用済みパンツを洗濯し,乾いたパンツをランダムにカゴに入れる.たまたまカゴの一番上に積まれたパンツを\(p_k\)とする.

次の日,お風呂に入る.お風呂を出た私はカゴの一番上にあるパンツ\(p_k\)を着て,使用済みパンツである\(p_j\)を洗濯する.このとき洗濯する(私の)パンツは\(p_j\)1枚である.洗濯し乾いたパンツ\(p_j\)をカゴに入れる(この日の活動をSTEP 1と呼ぶ).

また次の日,お風呂に入る.お風呂を出た私はカゴの一番上にあるパンツ\(p_j\)を着て,使用済みパンツである\(p_k\)を洗濯する.このとき洗濯する(私の)パンツは\(p_k\)1枚である.洗濯し乾いたパンツ\(p_k\)をカゴに入れる(この日の活動をSTEP 2と呼ぶ).

さらに次の日は,STEP 1に戻ることになる.そしてSTEP 2,STEP 1という流れが繰り返される.つまり,パンツは合計\(N\)枚あるにもかかわらず,私は2枚のパンツのみを毎日交互に履き替えていることになる.