URAかるた: 研究プロデュース能力養成のためのゲーム型教育教材

本研究では、初心者リサーチ・アドミニストレータ(以下URA)やURA志望の職員・若手研究者が、研究プロデュース業務(URA業務)を象徴するケースに触れることで「URA業務の全体像や個々のケースを乗り切るための考え方」を獲得するためのゲーム教材を開発した。

Date2013.4 〜 2014.3
Linkkaken.nii.ac.jp
Category,

京都大学でURAとして仕事をし始めて約2年経ちました。URA業務の情報共有・スキルアップのために、URAシンポジウム・研究会に参加したり、自分自身でもURA育成カリキュラムの設計、実施に携わってきましたが、運営者側の期待とは裏腹に「URA業務の理解」「URA同士の情報共有」「URA業務に関する学習」が進んでいないような気がしていました。

URAに少しでも関わったことのある方、下記のようなことを思われたこと、ありませんか?

  • URA(リサーチ・アドミニストレータ)っては普及し始めているけど、具体的な仕事内容がイメージできない…
  • そもそも具体的なURA業務がイメージできないから、どんなスキルや知識を学んだらよいか分からない…
  • 他のURAとURA業務について本音で議論したいけど、そんな機会がなかなか見つからない…

そこで、かるた形式のゲームを開発しました。かるたには、URA業務で象徴的な場面に加え、その場面を乗り切るための考え方・方法を記した選択肢が2つ書かれています。ゲームの参加者は50種類のかるたから、自分が議論したいかるたを選択します。選択したかるたを元に、ゲーム参加者はかるたに書かれた場面をどう乗り切るかについて、自分の意見をぶつけながら議論します。最終的に一番盛り上がったかるたを多く持っていた参加者が勝者となります。

プロトタイプを使って、実際にテストプレイもやってみました。ゲームを始めるまではだいぶん不安でしたが、

  • すごく楽しかった!人数の設定もちょうど良くて、自分の考えを言いやすい雰囲気でとてもよかった!
  • 掛け声、最初は少し恥ずかしかったけど、他の参加者と一体感が出て良かったです!
  • 皆いろんなこと思いながら頑張ってることがあらためて分かった!

など、予想以上に好評でした。

プロトタイプテストを通じて、本かるたゲームはURA初心者にもURA経験者にも、URA業務に対する考え方を深めるためにある程度効果があることが分かりました。ゲーミフィケーションを用いることで、URA研究会などでは質問・議論しづらいことを遠慮無く他の参加者にぶつけることが可能になったと考えています。また、体験したことがないURA業務に対する考え方を、他の参加者から吸収する機会を創出することができました。

一方で、ゲームを終了するのに時間がかかるなどの問題も明らかになりました。今後はゲームバランスを調整し、URA研究会などでゲーム体験会を実施したいです。

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