ウェブ研究に取り組む某研究室のターゲット国際会議

よく驚かれるが情報科学の分野では論文誌よりも国際会議の方が重要.そしてWeb系では何よりもACM主催会議に論文を通すことが大事のようだ(ほとんどの研究者はACM系の論文しかウォッチしていないみたい).山本の個人的な印象なので他の方が書かれたページなども参考にして欲しい.

 

WWW

難易度★★★★★.ACM SIGWEB, SIGIR主催のWeb系最高峰の会議.W3Cも開催にかんでいる.正式名称は The International World Wide Web Conference.アイデアの面白さ,手法,しっかりした評価の全部が揃っていないとなかなか通らない.Web検索,Webマイニング(textでもmultimediaでもOK),Webサービス,Web engineering,Browser & interfaceなどなどWebに関するあらゆるトピックが対象となっている.Web系の分野ではメディアへの露出も最も多い.Google,Yahoo!,Microsoftの研究者の論文もたくさん見受けられる.Webが出てきた頃は面白いアイデアの論文がたくさんあったような気がするが,最近は(特にWebマイニングトピックでは)大量のデータに対してマイニングして終わり!っていう論文が多く本質的に目新しいテーマが少ないのが残念.投稿時期は10-11月くらい.

 

WSDM

難易度★★★★★.ACM SIGWEB, SIGIR主催の国際会議.正式名称はACM International Conference on Web Search and Data Mining.WWWが肥大化していることを懸念してWeb検索,Webマイニングだけに特化して2008年から始まった国際会議がコレ.非常にレベルが高い国際会議.(2010年現在)会議はトピックがWeb検索,Webマイニングに絞られてしかもシングルセッションで行われるため濃い研究発表が期待できる.聴講するにしろ,論文を投稿するにせよWWWよりも意義があるかも.投稿時期は7-8月くらい.

 

JCDL

難易度★★★★☆.ACMとIEEEの合同開催の国際会議.ACM側の主催団体はSIGWEB, SIGIR.正式名称はJoint Conference on Digital Libraries.DLという単語が含まれていることからも分かるようにメインテーマはデジタルライブラリ.従って参加者には欧米諸国のライブラリアンも多い.デジタルライブラリというものの扱っているトピックは広く,情報検索,データマイニングに関するテーマも多く見られる.もちろんWeb検索,Webマイニング系のテーマも全然OK.面白い研究がちょこちょこ発見される.個人的には好きな会議.投稿時期は1-2月,WWWの査読結果がこの時期に返ってくるのでリベンジ投稿にはタイミング的にもレベル的にもちょうど良いかも知れない.

 

Hypertext (HT)

難易度★★★★.ACM SIGWEB主催の国際会議.正式名称はACM Conference on Hypertext and Hypermedia.名前の通りHyperdocument,Hypermediaにトピックを絞った国際会議.1987年から開催されておりWeb系会議の中では歴史のある会議.HypertextということでもちろんWebも扱っている.さすがにHypermediaということでlinkとかhypertextとかそういうトピックに関連があるテーマの方が好まれる.玄人的な雰囲気が漂う.あまりにもlink,linkな感じが漂っていたため参加者も減っているようだったが昨今のWeb2.0ブームでSocial linkという要素を入れて華麗に復活.会議自体の規模は小さいが非常にレベルが高い(と思われる).投稿時期は1-2月くらい?

 

WISE

難易度★★☆.日本のデータベース会の大御所,故上林先生も立ち上げに参加した国際会議.正式名称はThe International Conference on Web Information Systems Engineering.非ACM系.扱っているテーマはWeb全般.本当に何でも良い.某研究室から良く投稿され良く通る会議.ACM主催ではないのでアメリカでは有名ではないが,なぜかヨーロッパでは良い会議として名前が通っているそうだ.難易度は普通に研究すれば通るという程度だが,会議に参加して発表を聴いたり論文集を読んでみたりするとがっかりすることが多い.修士学生が研究成果を発表するにはちょうどよいレベルかも.会議自体の会議自体の規模は小さいのでじっくりと研究発表を聴くことができる.投稿時期は流動的.3-6月くらい?

 

ECDL

難易度★★☆.ヨーロッパ圏で開催されるデジタルライブラリ系の国際会議.正式名称はThe European Conference on Research and Advanced Technology for Digital Libraries.非ACM系.図書館情報学系ではJCDLに次ぐ国際会議.扱っているトピックはJCDLと同じでデジタルライブラリ全般だが,情報検索,データマイニング系はやや肩身が狭い思いをするかも.ECDLに出席した研究室の某先生曰く「あんまり面白くないよ」.ヨーロッパに行きたい人は投稿するのはあり.投稿時期は3月くらい?

 

ICADL

難易度★★.アジア圏で開催されるデジタルライブラリ系の国際会議.正式名称はThe International Conference on Asian Digital Libraries.非ACM系.扱っているトピックはJCDLと同じでデジタルライブラリ全般だが,ICADLは情報検索,データマイニング系はやや肩身が狭い思いをするかも.アジアが好きな人は投稿するのもあり.レベルもそれほど高くないので修士学生が最初にチャレンジするにはちょうど良い?投稿時期は1-6月?

 

APWeb

難易度★.アジア圏で開催されるWeb系会議.正式名称はThe International Asia-Pacific Web Conference.非ACM系.Pacificと名前にはあるが実質中国で開催されていることがほとんど.中国で開かれるとなると大勢の中国人が投稿することを意味する.レベルは...修士学生のデビュー戦には手頃なレベル.山本の国際会議も実はAPWebだったりする.

 

おまけ(国内会議)

DEIM forum

難易度null.日本の情報系の3学会,情報処理学会(DBS研究会),電子情報通信学会(DE研),日本データベース学会が主催しているフォーラム.旧称DEWS.トピックはデータ工学,情報科学なら何でもいらっしゃいという感じ.査読無し.なのになぜか論文を何回も投稿しなければならない.位置づけとしては学部生,修士学生が卒業研究を発表する場という感じ.発表自体に価値があるというよりかは,データ工学に関わる研究者,学生との交流を楽しむお祭り的存在.とてつもない規模のフォーラムで6セッションがパラレルで3日間続く.意味不明なくらい賞を連発する.賞を稼ぐ場としては良いかもしれない.毎年2月末-3月頭にかけて開催.

WebDB forum

難易度★.日本のデータ工学系学会の中で唯一の査読あり会議.旧称DBWeb.名前換え論争の末WebDBという名になったが,ACM SIGMOD主催の国際ワークショップに同名のものがあるので混乱しやすい.採択率は50%くらいか.さすがに査読ありなので発表される研究のクオリティはある程度保証されている.査読ありだが採択率50%なので奨学金免除のポイント稼ぎには狙い目.M1の学生はここを目標にがんばれば良いのではなかろうか.毎年12月頭くらいに開催.

 

執筆予定の国際会議

  • CIKM
  • SIGIR
  • ECDL
  • ICADL
  • WI
  • MM
  • WICOW
  • CSCW
  • AVI()
  • WIDM
  • GIS
  • DEXA()
  • PKDD()
  • CHI()
  • UIST()
  • IUI()
  • HCIR()
  • WAIM
  • Wikisym
  • APWeb
  • ICDE()
  • SIGMOD()
  • VLDB
  • ICML
  • KDD
  • AAAI