科学コミュニケーション

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予想だにしていなかった方面から突然電話が掛かってきた.電話の内容は僕の研究と関連する諸処の質問であった.電話をかけられてきた方は情報検索やウェブマイニングの専門家ではなく,ましてや研究者ではない一般の方である.

 

諸処の質問があった後,話の流れで僕の研究のことについて突然尋ねられた.「ざっくり言うとどんな感じのことをやっているんですか?」と.よく考えると,最近は同分野の専門家の人,もしくは異分野の研究者の方にしか自分の研究について話をしていなかったため,一般の方に研究について,しかもものすごく短時間で説明する機会なんてほとんど無かった事に気付いた.

 

背景知識も異なるし,所属している文化も異なる,ましてや職業も全く異なる人に学術的な話をするのは,研究発表以上の「思いやり」が必要だ.学者として意見を求められた場合は(学会発表以上に?)発言に責任を持たないといけないということにも気付かされた.

研究者は論文や特許を書くといった学術的貢献も大事だが,自分の研究成果を社会に対して発信・還元するということも重要な任務だ(少なくとも僕はそうしたいし,そうあるべきだと思う).そうすると,研究を”一般の方”に分かりやすく伝えるためのいわゆる”科学コミュニケーションスキル”が絶対必要になる.他の研究者に自分の研究を理解してもらうために,もっと言うと学会発表で賞をもらうために研究を伝えるために科学コミュニケーションスキルは重要であるとは思っていたが,科学コミュニケーションとは究極的には”対一般人”を意識して鍛えるべきなのかもしれない.一般の方にに理解してもらえてこその科学コミュニケーションである.

 

正直,研究者は論文さえ書ければ生きていけたりする.だから一般の方向けの科学コミュニケーションスキルなんて必要ない,なんて思っている方がいるとしたら残念なことである.世間の目が研究に向いて欲しいと思うのであれば,やっぱり研究のすばらしさ・おもしろさを伝えるためのスキルは磨くべきだと思う(研究内容とはまた別に).研究の目的の1つに社会貢献があるのなら尚更のことである.科学コミュニケーションスキルの鍛錬は研究者の義務.鍛錬しよう.